2017年9月11日月曜日

2017 劇団通信9月号

ミュージカルの主役は歌えることが第一ですが、それと同じくらい演技力が必要とされます。いくら歌が歌えても表現力がなければ務まりませんが、歌って演技し、 更に踊れるというのは持って生まれた才能に頼るところが大きいのです。

しかも主役を張るというのは観客を魅 了するような華がなくてはなりません。児 童 劇 団「大 き な 夢」の 場 合 は プロ 集 団 ではないので、そこまで厳しくキャスティン グに反映させられる訳ではありませんが、 やはり歌えるというのが第一条件で、その 上で演技力がある子たちをメインにする ようにしています。

各地の「子どもミュージカル」では約半年をかけて稽古をし本番を迎えるのですが、一週間に一度しかない稽古で最も時間を要しているのは振付です。これも毎週ではなく通常月2回程度のローテーションで回していますが、作品として成り立つようにするには絶対的に時間が足りません。しかも踊れる子とそうでない子がいる中でまとめていくのは並大抵なことでは ありません。

大劇団を始めミュージカルを行うよう なカンパニーはどこでも振付に最も時間 をかけているようです。ですから演技的な面にまで行き届かないまま本番を迎えてしまうケースが多く、我が児童劇団でも同じような現象が起こっていることに歯がゆい思いをしています。

 ミュージカルをやる以上仕方のないことだと諦めるしかありませんが、それにしては子ども達は本当によくやってくれて います。私の杞憂などそっちのけ、お客様のアンケートはほとんど賛辞の山で埋め 尽くされており、クオリティーの高さを求め過ぎないでお客様の反応を素直に喜び、明日の活力に変えていく私の心の切り替えが必要だと言い聞かせています 。