2019年1月10日木曜日

2019 劇団通信1・2月号

読売新聞編集手帳に以下のようなことが書いてあった。

夏目漱石は一高(現東大教養学部)への進学前、予備門時代に落第を経験した。それが真面目になる転機になったと随筆に書いている。

<僕の一身にとってこの落第は非常に薬になった…その時落第せず、ただごまかしてばかり通って来たら今頃はどんな者になっていたか知れない>(「落第」) 
更に随想『硝子戸の中』には次の一説がある。
<私はすべての人間を、毎日毎日、恥をかくために生まれてきたものだとさえ考えることもある>大事なのは恥をかいたあと何をするかだろう。


確かにそうだと学生諸君には励みになる文面だと思ったので紹介させてもらった。
落第して落ち込んでしまうか、一念発起して前向きに進んでいくか、それによってその後の人生が大きく変わってくる。失敗や挫折があるからこそ強くなっていくし、失敗して学ぶことあるから新たな道が開かれることもある。失敗を恐れては突き進むことができない。失敗したら恥ずかしい、笑われるという恐怖心が行く手を阻んでしまう。

漱石の言うように人間は恥を書くために生まれてきたもの、誰でも恥をかかないで生きてきた人はいないだろう。私など過去を振り返ると恥だらけ!! それに芝居なんかやってる人は誰でも恥をかく。役者は演出家にダメを出され大勢の出演者の前で恥をかく。しかもベテランと言われる人だって若い役者の前で容赦無くいびられることもある。
恥ずかしいなんて感情を持つような人は役者にはなれないと思った方がいい。