2021年5月21日金曜日

令和3年 4月号

 ある子どもミュージカルでの話ですが、公演をすることになっていた会場が突如新型コロナウイルスのワクチン接種の会場に決まったために予定していた公演ができなくなったというのです。行政が決めたことなのでいくら文句を言っても通用するはずもありませんが、あまりに一方的な強引さに開いた口が塞がりません。

しかし父母会の皆さんは怯むこともなく代替の会場を探し出し、却ってキャンセルした会場よりも数倍もグレードの高いホールが見つかったというのです。私は素晴らしい教訓として拍手を送りたい気持ちになりました。

もちろん経済的には当初の予算を遥かに上回ること必定で劇団としてもその埋め合わせをしなければと思っていますが、キャンセルになった途端の父母会の素早い対応、行政に対する怒りよりも気持ちを切り替えて行動を起こしたその結果が通常では考えもつかなかったような最良のホールが与えられたのです。

しかしその後キャンセルに対しての賠償問題などがあるにしても、いち早く公演を成功させるために奔走したこのカンパニーの快挙が今後どのような影響をもたらすのかとても楽しみになってきました。

何事もマイナス的に捉えるのではなく、きっと良くなるという信念を持って前向きに進んでいくことが最も大切なことのように思います。その時点では最悪と思われるような事でも後になって考えてみると人生の重要なターニングポイントとなっていることに気がつきます。たとえ無駄と思われるようなことがあってもそれは自らを高めるために与えられていると思えばいいのです。

必ず良くなるという信念を持つことが人生必勝の真理だと思いたいですね。