2021年3月20日土曜日

令和3年 3月号

 劇団とB-プロとの関係について書いてみます。

児童劇団「大きな夢」は情操的教育も含め、学校では体験できない純粋なミュージカル活動の場として定着しています。それに対してB-プロはマスメディアを中心に仕事を斡旋しているプロダクションです。

純粋性を重んじる児童劇団「大きな夢」とプロ的活動のB-プロとは相反するように思われますが、児童劇団で育んだ人間教育的成長と舞台創作の実体験で得た演劇的能力は劇団独自の成果として内外に認められるようになってきました。

少年野球を例に取れば実力のある選手は更にステップアップできる場を与えてやるのがチームを率いる指導者の役目であり、同様に劇団でも能力のある子はどんどん引き上げていく機会を与えてやらなければならないというのが私の考えです。

スポーツ界はタイムの速さや勝負の点数で決まりますが、演劇界や芸能の世界では簡単には評価できるものではなく潜在的能力や才能、将来性の見極め、ルックスやキャラクターなど一定の基準がないだけにオーディションによって求められることになります。それだけにチャンスは限りなくあってやりたいと思う子にはどんどんチャレンジさせてみるのがB-プロの仕事なのです。しかし劇団あってのB-プロであり、劇団の公演や活動に支障をきたさないように細心の注意を払って事に当たっています。

しかし現状のB-プロはほとんどが出演料の安い子役を送り出す仕事であるために9年間やっていても未だに経済的には成り立っていません。いま望まれるのは劇団でしっかり実力をつけて成長し劇団の大人の舞台でも活躍しながらB -プロで立派に仕事してくれる人材の確保が急務なのです。