2022年11月4日金曜日

令和4年9月号

 私の車の運転歴は61年にもなる。免許を取ろうと思ったのは18歳の時NHKのディレクターと一緒に多摩テックという遊園地でゴーカートに乗って競走したのが面白く、よし、小さな車でも絶対に買うぞ ! と決意したのがきっかけになった。

そしてまず知り合いの自動車販売店のおじさんに相談してスバル360という軽自動車を月賦で買うことにした。まだ免許も持っていないのに先に車を注文してしまった馬鹿な奴だと今では思うが、だからこそ一発で免許を取らなければという意気込みだけはすごかった。

今はなくなったが当時赤坂のTBSの真向かいにあった自動車教習所に通い難なく軽自動車の免許を取得することができた。その当時は普通免許よりも軽い軽自動車用の免許制度があったが、それがいつ頃普通免許に変わったのか、あるいは再試験を受けて取得したのか記憶が定かでないが、とにかく軽免許を持って初めて自分の車を運転することになった。

12月も押し詰まった30日だったと思うが慣らし運転をしてから正月を迎え、付き合っていた女性を乗せてかっこいいところを見せようと正月でガラガラにすいていた第二京浜をすっ飛ばした。ところが白バイに後をつけられ取り立ての真新しい免許証に早くも傷をつけられてしまった。

彼女の前で大恥をかいたがそれでも、そんな私を見下さないで今でもそばにいてくれるのが現在の妻である。以来ほとんど毎日のように運転を続けているが、高齢者の事故が頻発している現状では堂々と走れない肩身の狭い思いをしていることも確かだ。

いつかは免許を返納しなきゃと頭をよぎるが、私から車を取ってしまったら生きていられないよ ! 劇団活動に支障が生じるよ ! なんて自分勝手な口実を考えて、もうしばらく運転させてよ ! と、わがまま言ってること許していただきたい。