今年は元旦から北陸地方の地震と津波の被害に襲われたニュースを見てしばし言葉を失ってしまいました。被災した人たちの避難生活や住居を失った人たちのこれから先のことを考えると居た堪らない気持ちになります。地震が起きるまでは皆さん穏やかな元日の朝を迎え家族の安全と幸せを祈りながら今年も良い年になりますようにと明るい希望を持ってスタートしたと思います。それが夕方になって一瞬にして打ち砕かれてしまったのです。誰一人予想もしなかった自然の脅威に怒りのやり場もなく、只、手をこまぬいてテレビの画面を見ているだけの苛立ちの中で一刻も早い復旧を祈るしかありません。石川県には加賀子どもミュージカルがありますが、幸いに劇団員の家庭では被害はなく安全が確認されたので多少安堵しましたが、今後の公演活動に向けて支障をきたさないよう祈らずにはいられません。
今回の災害のようにいつどんな形で突然私たちに降りかかってくるかわかりません。今安泰でも次の瞬間どうなるのか誰にも予測はつきません。災害だけでなく航空事故や交通事故あるいは戦争に巻き込まれる危険もあり、突如健康を害して寝込んでしまうとか私たちの周りを見渡せばこれで絶対安全だという保証はどこにもありません。だからこそ今与えられている現在という時間を精一杯生かさないと勿体無いのです。人は誰でも必ず年老いてやがてこの世から去っていきます。若者は若い時にしかできないこと、今しかできないことをしっかりやるべきです。
年齢を重ねてくると肉体が思いのほか不自由になり若い頃のような勢いはなくなり、どんな艱難に遭遇しても果敢に走っていく姿は懐かしさの中でしか存在しなくなります。しかし過去に培った経験や能力は若者にはない叡智によって優れた人格の形成を生み出していくのも事実です。いずれにしても長いようで短い人生、自戒も含めて若い時にやっておけばよかったと思うことのなんと多いことでしょう。