2020年9月19日土曜日

令和2年 4月号

 劇団BDPという存在はなんだろうということを時々考えてしまいます。児童劇団「大きな夢」は子どもたちにミュージカル創りを通して、学校教育では学べない数多くのものを提供しています。歌って踊り演技をすることによる技術の練磨、喜んだり悩んだり我慢することや努力することでやればできるという自信を育んでいきます。

さらに大人と小さい子も一緒になって作り上げていく舞台の面白さの中で先輩を見習い、又後輩の小さい子をいたわるなど、あらゆる面での人間的成長に繋がっていきます。そして本番の舞台を終えた時の喜びと興奮は、次の舞台にも立ち向かう強い意欲を掻き立てます。中学を卒業するくらいまでは一層の向上心も伴って夢中になって打ち込んでいきます。

ところが高校に入ると、自分の能力に限界を感じ別の道があるかもしれないと劇団を去っていく子も増えてきます。一方で将来のことを考えながら、取り敢えず高校を卒業するまでは継続していこうとそのままKMに残る子や、役者の道を目指してBDPアカデミーに移籍しレベルアップを求めて精進している子もいます。

ここまでは通常の流れといってもいいのですが、特に最近高校を卒業するあたりから退団する子が続出しています。大学生になると尚更で、視野も広がり交友関係も広がってくれば様々な情報が入り乱れ、BDPという狭いところにいては世間知らずになる不安みたいなものが頭をもたげてくるのでしょう。

よその芝生は青く見える傾向は誰にもありますが、この業界のことを知らない勉強不足のために、せっかく培ってきた夢を断たれてしまっている退団者のなんと多いことでしょう。目先のことよりもしっかり将来を見据えて継続していく中で本物が見えてくることを知るべきでしよう。