今年の秋から始まるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」は小泉八雲 (ラフカディオハーン)の妻小泉セツをモデルにした物語だそうです。そういえば30数年前私が40代後半の時NHKの「日本の面影」という番組でやはり小泉八雲の生涯を描いたドラマスペシャルがありました。小泉八雲は一時期島根県の松江にいて妻のセツのもとでたくさんの怪談を書き上げたことでも有名です。
私は高校卒業まで松江にいたこともあってそのドラマの方言指導を受け持ち小泉八雲と奥さんにとても難しい出雲弁を一つ一つ丁寧に指導させていただきました。その時のラフカディオハーン役のジョージ・チャキリスさんと妻役の壇ふみさんと一緒に過ごす楽しい時間が何日かあったのを懐かしく思い出しました。
チャキリスさんといえば初のアメリカのミュージカル映画「ウエストサイド物語」のプエルトリコ系不良集団シャークスのリーダー、ベルドナルド役で強烈なデビューを果たし一気に世界的な大スターになった方です。その人が目の前にいて壇ふみさんと通訳を交えて談笑したことなど宝物のような思い出となっています。
さてあれから30数年、再び松江がドラマに登場します。この「ばけばけ」は妻のセツさんが主役で2892人のオーディションから女優の高石あかりさんが選ばれたそうですが、夫役の小泉八雲は国内だけでなく海外にも募集をかけ1767人の応募者があり日本国内は246人、海外からは1521人(アメリカ1352人、イギリス149人、オーストラリア・ニュージーランド20人)の中からイギリスの俳優トミーバストウさんがオーディションの結果決まったそうです。
バストウさんは日本の文化や映画に惹かれて10年間日本語を学んだそうですが、それにしても日本のドラマに海外からこんなにも大勢の人が応募するなんてすごいことだと思います。エミー賞を総なめにした真田広之主演「SHOGUN 将軍」の影響もあるかもしれませんが、この先の日本の映画やドラマ界に一層の弾みがついていくことを期待せずにはいられません。