2025年2月14日金曜日

令和6年 8月号

児童劇団員のキャスティングについて書いてみたいと思います。

各地の子どもミュージカルは毎年上演作品が決まってから配役を決めるためのオーディションを行います。年一度のキャストオーディションは劇団員の実力と努力の成果が問われる最も重要な位置付けとなっています。

オーディションの結果を審議するキャスティング会議ではそれぞれ担当の講師が一つ一つの役について討議しながら配役にふさわしい子をピックアップしていきます。世間一般のオーディションではキャラクター的素材とそれに伴う実力が最優先されますが、「大きな夢」ではそれとは異なった独自の審査方法でやってきました。

日頃のレッスン態度や在籍年数、努力の成果が見られるかなども重要なポイントです。しかし主役となるとそればかりではありません。実力はもとより華のある存在感や責任感などの人間性、劇団活動に協力的かどうかなども判断材料になります。だからと言って毎年同じようにメインにすることは極力避けて他の子にもチャンスを与え成長を促していくことも忘れてはいません。期待していなかったような子が飛躍的に成長していった姿もたくさんみてきましたが、いずれにしても講師の先生達は苦渋の決断を迫られる時でもあります。発表したキャストで果たしてどの程度の完成度になるか、やってみなければわからない面も多く、キャスティングで成功した例もある一方逆に反省材料が多く残ってしまった例も少なくありません。

子ども達の将来にどのような影響を与えるのか一人一人の可能性を考えながら、尚且つ発表した後のフォローを講師の先生達はしっかりやっていかなければなりません。児童劇団「大きな夢」は「子どもの教育」ということを掲げて活動していますが、オーディションの結果だけでなく子ども達が今後も前向きに張り切って創作活動ができるよう具体的な心のこもったアドバイスや明るい励ましの言葉をかけてやってほしいと願わずにはいられません。