2025年2月14日金曜日

令和6年 9月号

 最近子どもミュージカルの公演会場でフォトスポットのパネルから顔を出して写真を撮る光景が多く見られるようになってきました。

あれッ? 同じパネルが他のKMの会場にもあったぞ ? と調べてみると父母会間で使いまわしていることが分りました。例えば「桃太郎!」や「ピエロ人形の詩」は加賀KMで制作したものを貸し出しているということです。加賀父母会の高野都さん(デザイナー・工芸作家)が製作なさったそうで、折角作ったものをそのままにしておくのは勿体無いということで高野さん自ら他のKMに呼びかけて有効利用してもらっているということです。

このような形での父母会同士の交流があり、昨年の父母会役員総会では遠隔地の札幌、福岡、熊本、広島、加賀、長野の役員の方々が交流を深めあったというお話も聞きました。それぞれ皆さんが郷土愛を持って結束し劇団活動を推進してくださっていることの有り難さ、遠隔地だけでなく関東首都圏の各KMの父母会の方々の交流も盛んに行われている現状に30周年を経た劇団は父母会という盤石の組織に守られての公演活動であることを忘れてはなりません。

元々父母会ができたのは、劇団が営利を目的とした商業主義的な活動と見られがちなこともあり、あくまでも地域に根差したミュージカル活動を推進する団体であり、教育的要素も含めての活動であることから各地域の保護者に運営してもらう組織として存在することになりました。

従って劇団は父母会からの依頼で現地に赴いて劇団員の指導に当たり、毎年の上演演目の舞台を仕上げるという独自の形として定着しています。子どもミュージカルの場合チケットを頒布するのはほとんどが父母会、つまり出演者の親御さんの手によってなされていますが、子どもが成長して高校生や大学生になっても自分では売り捌けない話もよく耳にします。出演者がチケットを捌かなければ成り立たない演劇の世界、この道で身を立てようとする者はしっかり心に刻んで欲しいと思います。