2021年3月20日土曜日

令和2年 10月号

 劇団はもうすぐ10月31日で創立27周年を迎えますが丁度12年前の創立15周年の時にそれまでの劇団の歴史を綴った私の書籍を出版しました。

当時の劇団通信に毎号連載していたものをまとめたもので、読み返してみるとよくぞここまで辿り着けたものと我ながら驚く程の波乱と挫折の繰り返しの半生紀にもなっています。私の人生はそこでビリオドを打ってもいいようなつもりで書きましたが、その後の劇団の変遷を考えるとそれ以後に立ち上げた「子どもミュージカル」の数も多く、私の記憶に残っているうちに書き留めておかなければという焦りにも近い気持ちに動かされて続編を出版することにしました。

しかし現在所属している劇団員や父母会の方々は前回の書籍に目を通す機会がほとんどないので、続編と言っても前回のものも含めて一冊にまとめたものになっています。各子どもミュージカルの立ち上げに至る過程など詳細に書き綴っていかなければならないと思いながらも紙数の限度や私自身の記憶の曖昧さなどから書き切れていないもどかしさも随所にあります。

年々忍び寄る老いの度数が激しくなっていく中で致し方のない現象ではありますが劇団の全体の大きな流れとして捉えてもらえればという勝手な口実で出版に踏み切りました。以下、本のはしがきの一部です。

【私が学び体験してきたそのひとかけらでもいい、子どもたちの成長に役立つことがあれば積極的に提供していこう。もともと芝居が好きだったし、俳優生活以外に生きる道を考えたこともなかったが児童劇団「大きな夢」は立ち上げる寸前まで私の生活設計に組み込まれているものではなかった。五十一歳になるまで頭の片隅にですら存在していなかったのである】