2021年3月20日土曜日

令和2年 11月号

 人は誰でも二面性を持っているものなのでしょうか。自分にとって都合の良い時は素直に受け取って反応しても逆の場合には少し取り繕って弁明したりすることがあります。

日常の些細なことでのこれらの言動はある意味人間関係を円滑に行うための方便であるかもしれませんが社会的な事件として扱われるような大きな問題が発覚した時など、必死になって自己弁護につとめどこまでが真実でどこまでが虚偽なのか分からなくなる事例があり過ぎるような気がします。自分が不利になるような発言を極力抑え正当だと思われる部分を強調して懸命に逃れる道を作って人間の二面性をフルに活用しているかのような醜態は後を断ちません。

人は窮地に追い込まれると二面性を発揮するのでしょうか。大なり小なり自分を良く見せようと言う意識が働きます。素直に自分の欠点や落ち度を認める人は稀にはあってもあまり見たことはありません。人間の生きる知恵なのでしょうが表と裏が全ての人間に備わっているように思っても悪知恵ではなくて良い方の知恵を努力して出せる勇気を培って欲しいと思います。

悪知恵によって人を貶めたと一時的に成功したように思っても長く続くものではありません。二面性というのは善悪だけでなく、優しさがあっても怒った時の人が変わったような凄まじさ、ボランテイア活動に勤しんでいるような人が意外と人間関係がうまくいっていなかったり、綺麗な作品を創作する人の日常があまりにも汚すぎたり、数え上げれば切りがありませんが、そういうものも含めてそれが人間だということでしょうか。

どんな人に出会っても柔軟に対応できる心の広さを持ちたいものです。