2021年8月9日月曜日

令和3年 6月号

 コロナ禍にあって劇団もいろいろ振り回されていますが成るようにしかならないと腹をくくって開き直っています。5月のゴールデンウィークを挟んで出された緊急事態宣言が5月一杯に延長されると聞いた時にも3日後のアカデミー公演「彼女たち」はどうなるのか心配しても仕方ないので成り行きに任せることにしました。幸い劇場使用が宣言下にあっても50%の集客であれば可能という政府の緩和策が施されギリギリで上演態勢に入ることができました。

ところがゲネプロの日になってメインキャストの一人が身体の不調を訴えたために万が一のことを考えて降板させ代役を立てることにしました。何ヶ月も稽古して積み重ねてきた役を、しかも予めアンダースタディーとして控えていたならまだしも、代役でできるのか !? バニック状況に陥りました。

演出助手の福原佑実であれば出来るかもしれない、と演出の中沢千尋が本人に打診したところ複雑な思いを抑えてOKしてくれました。本番の前日です!!  夜も眠れなかったに違いありません。一応カンニング用に持ち道具のファイルに台本を忍ばせてやりましたが、正に奇跡 !!  何の損傷も感じない程凄腕のピンチヒッターは本番の舞台でしっかり役目を果たしてくれました。

彼女がいなかったら公演中止になっていたところを見事に救ってくれました。又2日目の最終回では上演途中で気分が悪くなった高校生がいてその穴埋めに出演者が本番中必死でカバーするという前代未聞のアクシデントもありました。しかしキャリアのあるチームワークによってこれまでにない高い評価を受けるに至り、成るようになった感慨深い体験をすることになりました。