2022年7月4日月曜日

令和4年 3月号

 このところ2.5次元ミュージカルが益々勢いづいてきていますが、漫画やアニメを原作とする若者向けの、特に女性ファンを対象にしたものがほとんどで、私には関係ない異常な世界のように思っていました。

それでも機会があっていろいろな2.5次元の舞台を観てきましたが、それらの原作の漫画も読んだこともない私としては何が何だか全く理解できず、ただテンポの速いダンスや歌が大音響のもとで繰り広げられる異次元の世界を冷めた目で眺めているにすぎませんでした。

周りの若い女性達は夢中になってその派手な世界に引きずり引き込まれています。もう私などのいる空間ではないと思いながらも幕が降りるまで観てしまうのです。しかし漫画も読まない高齢者が2.5次元ミュージカルは自分には合わないなんて批判めいたことを言っても話になりません。現実に大勢の若者が興奮して喜んで観ていて今や社会現象にまでなっている新しいミュージカルの形になっています。カーテンコールでは観客と演者が一体となってライブコンサートのような異常な盛り上がりを見せています。 

日ごろ私達がやっているミュージカルとは程遠いと思ってしまいますが、劇団BDPの構成メンバーは2.5次元をみる若者と同様、私の尺度では計り知れない若者特有のアイディアやセンスを持っているのではないかと思い始めました。

時代は刻々変化しています。演劇界、ミュージカル界もこれまでの常識では考えられなかった新しい展開によって新しい客層を呼び込んでいます。私のような高齢者は改革に二の足を踏む傾向にありますが、我が劇団BDPは若い力が溢れています。改革を恐れず2.5次元以上のものを目指して取り組んでくれればと願わずにはいられません。