歳を重ねると月日の過ぎるのが超特急のように短く感じられ、あっという間に年末の夢コンがきてそしてすぐに新年を迎えるという目まぐるしいサイクルの中で生きているような気がしています。
子どもの頃は長く感じられた一年は10歳の子であれば10分の1の一年であり、私のように82歳になると82分の1年という短さになってしまいます。時間の長さは一定であっても状況によって感じ方が違うことを考えれば時間はあってもないくらい不思議な気持ちになる時があります。何かに夢中になっている時はあっという間に過ぎてしまいますが、行列で何かを待っている時などなかなか時間が経ちません。こんなことが気になるのはやはり歳のせいなのでしょうか。
さて歳のせいとは言いたくありませんが先日ある劇場で大したことでもないのに酷く腹立たしいことがありました。他人の行為に腹を立てて不愉快になることほど馬鹿らしいことはありませんが性格は幾つになっても変わらない自分が情けなくなります。
この時は私の席の隣にいた30代の女性の二人ですが、通路から私の席の前を通って座る時に狭くて通れないので私は素早く立ち上がってレディーファースト気取りで通してやりました。とろが大きなお尻が通過した後「すみません」も「ありがとうございます」の一言もなく二人の女性はおしゃべりに夢中、それが隣に座ったので居心地の悪さといったらありません。
NYのブロードウエイやロンドンのウエストエンドなどの劇場では必ず「ソーリー」と言って席に着くのが習慣のようでその一言があればお互いに気持ちよく観劇できるのです。ところが日本ではどうでしょう。周りを見ても徹底していないもどかしさを感じてしまいます。
礼儀を重んじると言われている日本人がこれでは恥ずかしい限りです。自分さえ良ければという他人を思いやる気持ちが希薄になってきているのか、私一人が意気がってみたところで所詮年寄りの戯言で済まされてしまいそうです。