2018年9月25日火曜日

2018 劇団通信4月号

今年の6月に「新ダンスの朝」を上演します。

ダンスの朝シリーズはかつて22歳だった若き乙女たち( 阿部奈音子、中沢千尋、霜島愛生 ) 三人のために私が書いた脚本で、彼女たちの成長に合わせて毎年書いていこうと思いながら四作で終わってしまった作品です。

初演の彼女たちはダンス力に秀でていてそれぞれのキャラクターを生かして面白楽しく、しかも思う存分踊るシーンがあって見応え充分の作品でした。今回上演するのはその第一作目のもので、多少手を加えたところもありますが、現在BDPの若手として活躍している三人をピックアップして臨むことにしました。

久々に過去の台本を開いて読んでみるとちょうど12年前の冬のオリンピックがあった年でした。「ダンスの朝」でも多少そのことに触れていて「なおこ」のセリフに「向こうの人はかっこいいよ。立ってるだけでも違う。テクニックでは引けを取らないけど、素材が違うのよ。プロポーションが ! ダンスやバレエは美を競うものでしょう。フィギュアスケートだってテクニックだけじゃ満足しない。見る人は更に美しさを求めるの」と言わせています。

確かに今年の冬のオリンピックで女子のフィギュアスケートで金メダルとったのは誰が見ても美しく可愛い15歳の女の子でした。

しかしミュージカルは大会と違って美を競うものでもないし、ダンス力や歌唱力を競うものでもありません。役柄の自然な動きや歌が作品の中でどのように表出できるか、役を生きることの方が大切で又難しいところでもあります。

「新ダンスの朝」の出演者はいろんな課題を抱えながらも役者として大きく成長してほしいと願わずにいられません。