2018年9月25日火曜日

2018 劇団通信5月号

子どもたちがメジャーの舞台に憧れる気持ちも分からないでもありませんが、「大きな夢」はあくまでも情操教育の一環としてのミュージカル活動であり、プロの養成機関ではないとはっきり位置付けています。

もちろんプロとして通用するような実力のある子も育ってきていますが、あくまでも続けて行く中でさらに向上するように導いて行くことが大切で、子どもの時にメジャーの舞台に出たからといってすぐプロになれるような甘い世界ではありません。

しかし親子で勘違いしているケースが多く「大きな夢」でメインの役で褒められたりすると、すぐに外の世界でも通用すると勘違いしてやめていく例が結構多いのです。

他所ではほとんどが商業主義的で一般公募のオーディションをやって子どもを集めているに過ぎず子どもを育てようという環境ではありません。子どもの才能は一回や二回の舞台で発見できるものではなく、長い目で見て本質を見極め、様々な体験をしている中で発芽していくものです。

メジャーの舞台に出たからといってどうなるものでもなく、劇団にいてその後もしっかり力をつけていかなければ枯れてしまうだけなのです。

大人になって俳優の道に進みたいと思えば選択肢は限りなくありますが、子ども時代に培ったもの、努力し継続することの大切さ、その貴重な体験の上に立って将来を見極めなければ荒波に揉まれて消え去るだけです。

親の考えで子どもの成長が左右されることを考えると、親の愚かな判断で子どもの才能を摘み取ってしまう例が後を切らないのはとても情けなく残念でなりません。